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『……早く止めて?』
掠れた切ない声。
こんなにもギュッて抱きしめてくれる力強さとは正反対の、繊細な声。
怖くない。嫌じゃない。
もっと知りたいの。もっと欲しいの。
触れられるだけで、そこから溶けてしまいそう。
『部長?』
私の首筋に埋めていた顔を上げて、部長が私を見下ろす。
切なくて熱を帯びた潤んだ瞳の中で、私が揺れる。
『私のこと、好きになってもらいます。もっともっと……好きになってください。』
驚いて大きく開かれた瞳は、すぐに大好きな優しい微笑みと共に細められて。
『ねぇ……それって、罰ゲーム?これ以上、好きになれだなんて。もう好きになりすぎて、どうにかなりそうなんだけど。……全部、俺で埋め尽くしていい?』
また私から求めるように、首に手を回して、少しだけ引き寄せた。
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