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『だから、その顔するなって。……マジで、俺、理性の限界。』 『……えっ。』 胸元にあった指が、次は私のおでこをツンと弾くように突いた。 ……限界って。 部長がベッドサイドに腰掛けて背中向きになったから、言葉の意味を理解して、火照った顔を隠す必要がなくなった。 『ふぅ…。』 部長のついた息が、背中越しに聞こえてきて。 突然変わった穏やかなムードについていけずに、私はベッドに横たわったまま。 『……部長?』 淡いピンクのワイシャツの背中に話しかける。 数秒前、私が握ったところには、くしゃくしゃに皺がついてて…なんか生々しい。 『……………から。』 上半身をベッドから起こして、部長の声に耳を傾けるけど、ぼんやりとした身体は、まだ甘い感覚から抜け出してなくて。 『…なんですか?』 振り向いた部長に、首を傾げた。 ベッドに座り直した部長の脚の間にすっぽり納められると、はだけた胸板にギュッと抱き寄せられて。 『本当に、大切にしたいから……だから、ここまで。』 身体に響く自分の鼓動と、背中に感じる部長の鼓動が、混ざり合っていった。
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