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& eyeのこと、坂本さんからの引き継ぎ、打ち合わせ、来客の対応、街に出て市場調査。
月曜から慌ただしく過ごしていたら、あっという間に1週間の終わりがやってきて。
『高梨ちゃん、頑張りすぎないでね。お先に。』
坂本さんと武田さんが揃って帰っていくのを見送ると、残っているのは永井さんと私と部長だけになった。
お腹空いたな。
疲れたし、帰りたいかも。
でも、コンパクトのイメージ固めて、スッキリとした週末を迎えたい。
『部長、来週は予定通り打ち合わせよろしくお願いします。お先に失礼します。』
『了解。お疲れさん。』
10分も経たないうちに、永井さんもいなくなっちゃって。
『まだかかるの?』
『あ、えっと……もうちょっと纏めてから帰ります。』
部長が、坂本さんの椅子を引っ張って隣に座った。
『どこで煮詰まってる?』
『コンパクトのデザインです。この前、神谷さんと打合せした内容でカラーが決まらなくて……。何度考えても、夜空イコール黒じゃ、違う気もするんです。だけど、実際見上げたら黒っぽい夜空があって。リアルな空を表現したいわけじゃないんですけど、なんていうか……黒っぽいのにキラキラしてて、だけどそれはラメの効果じゃなくて、星座のデザインが引き立つ感じでキラキラ感を出したいんです。』
『黒にラメだと安易って感じか……ちなみに、その星座って何で表すの?』
『ラインストーンです。よく携帯とかデコレーションしてるような。あれなら材料費も安価なので。』
『星座の背景か。俺のイメージ、だけどさ。』
そう言うと、部長がデスクに転がっていた色鉛筆を持って、サラサラと白い紙を塗っていった。
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