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『ねぇ、言ってよ。彩星のココにあるのを教えて?』 部長が軽く握った手で、自分の胸をノックした。 まるで、あたしの心の扉をノックするみたいに。 『……やっぱり…。』 一気に話したいのに、途中でまた涙が邪魔をする。 涙と、強がりと、たぶん…プライド。 部長にとっては、きっと何てことない出来事だったはずで。 でも、それがイヤで、辛くて、逃げた。 部長のこと、信じてるのに。 何てことないなら、私が受け入れるのが、正解な気がするのに。 いい彼女、可愛い彼女……そう思って欲しいから。 『彩星、俺の前では強がらなくていいって言ったでしょ?』 肩を引かれて、部長の胸におでこが当たった。 『言いたいこと、言える関係でいたいから。じゃなきゃ、彩星のこと分からなくて……そういうの、俺は寂しいな。』
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