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お天気がいいから、海までドライブすることになった。
隣には、サングラスをした部長。
私の右手はしっかり繋がれている。
『海に行くの、久しぶりです。』
『そうなの?俺は気が向けばドライブしに来るんだよ。』
仕事の話、大学時代に神谷さんや誠さんたちとバーベキューをした話……他愛ないことで、一緒に笑い合う。
信号が赤になったら、どちらからともなく見つめ合って、サングラスをおでこに上げた部長がキスをしてくれた。
『あ……怒られちった。』
1つ鳴らされた、後ろの車からのクラクション。
少し舌を出してはにかんだ部長の表情に、また心臓が跳ねた。
目眩がしそうなほど楽しくて、息が詰まりそうなほど、好きになっていく。
限界なんて、なくていいから。
もっと好きになりたい。
もっと好きになってほしい。
真っ直ぐに延びる海までのラストスパートを、風を切って走り抜けた。
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