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淡いピンクのクレリックシャツ。
甘い香り、タバコの匂い、シャツ越しに伝わる体温、私を包む腕の力。
全てが、温かくて。
『部長?』
『んー?』
優しくて甘ったるいトーンの声に、また溶けそうになる……けど。
『あの、周りの皆さん、見てます。』
少なからず、私の視界にいる皆さんからは視聴率100%で。
『見たきゃ見ればいいじゃん。』
『だ、だって、バレちゃいます。』
と、言うことは……色々と大変なわけで。
『バレてもいいだろ、もう。』
『へ?』
秘密って言ったのは、部長なのに…。
約束してきたのも、部長なのに……もう、勝手なんだから。
そうやって、私を振り回すけれど。
『……もう、誰にも触らせたくないから。俺の彼女だって、知らせないとダメなんだ。』
ほんの少し、私を抱き締めている腕の力が強くなる。
部長のワガママが嬉しい。
こうしてちゃんと気持ちが伝わるから。
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