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『……っ。』
部長の瞳の奥が、キラリと光って見えたのは、花火のせいだよね。
『これで、俺のって印ができたね。』
間を置かずにおでこにも、もう1つ降ってきて。
花火のせいじゃ、なかったみたい……。
赤くなった私の顔を覗き込む部長の表情は、ますます意地悪になっている。
『ふっ。……すっげー真っ赤。』
長い指で、頬を撫でられて。
『は、花火のせいですっ!』
『いま、花火は休憩で上がってないけど?』
もっと俯いて横を向いて、嬉しいけど恥ずかしい感情を隠した。
『…………夏輝?』
部長のせいでざわつく周りの喧騒の中から、その声はハッキリと現れた。
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