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& eyeの発売日が過ぎて、市場の動きをチェックして打ち合わせを重ねていたら、あっという間に年末休暇に入っていて。 実家に帰ったり、部長と初詣に行ったり、麻耶の家にお呼ばれして久しぶりに麻耶パパと会ったり。 今日から年明けの業務が始まる。 同じ時間の電車に乗って、同じ道を歩いて、出社した。 少し早めに出社したつもりだったのに、企画部の扉を開けたら、既にほとんどの人が揃っている様子で。 『明けましておめでとうございます。』 『あ、高梨ちゃん。年賀状ありがとうね。』 斜め向かいにいる武田さんの電話終わりを待って挨拶した。 『こちらこそ。武田さん、引っ越しするんですか?』 『そうなの。実は……。』 と言って、武田さんがこっそり教えてくれる。 『ど、同棲っ?!』 『高梨ちゃん、声が大きいってば!』 真っ赤になった武田さんが慌てて言った声の方が大きくて、一斉に視線が集まる。 武田さん、展開早すぎです。 今度、同棲に至る経緯を教えてもらわないと。 立花さんと女子会の予定立てようっと。 『おはよう。』 手帳とノートパソコンを抱えた部長が、声をかけながらデスクに向かう。 ネイビーのスリーピースが良く似合っていて、思わず見とれてしまった。 『高梨さん、ちょっと来て。』 関係が公になってから約5か月。 もう誰も騒いだりすることもないし、変に気を遣ってもらうこともなくなってきた。 『今日は何か予定入ってる?』 『午前中に& eyeの件で来客がありますけど、終日社内にいます。』 『早速で悪いんだけど、お昼過ぎに来客と会議が立て続けに入ったから、準備を手伝ってほしいんだけどいいかな?』 『はい、大丈夫です。』 コピーとデータ化してファイリングする資料を手渡された。 『それと、新年早々、会社で見過ぎ。』 フフっと笑った部長には、年を越しても慣れなくて。 『……失礼しますっ。』 俯くようにして、デスクにファイリングの書類を置きに戻る。 〈今日は俺のとこにきて。大切な話があるから。〉 大切な話。 付箋を剥がす右手のリングが、目に留まった。
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