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『じゃあ、ちょっとだけいただきます…。部長、飲んでもいいですか?』
『今日はいいよ。程々にね。』
みんなよりちょっと小さいグラスの半分にも満たない量。
これくらいなら、きっと大丈夫だろう。
それに今夜は、絶対に帰さない。
とは言え、心の中では両手を合わせて謝った。
& eyeと永井の企画が当たってから、元々忙しくしてた優は益々多忙になって、麻耶ちゃんと会うのも減っているらしい。
それで、先週、一緒に住もうってことになったらしく。
『彼女の家に行ったんだけどさ……。』
『って、初めて行ったのか?』
瀬名が生ハムとカントゥッチをそれぞれ盛り付けながら、それとなく聞いた。
『いや……前に送った時に、偶然会っちゃって。』
患者がいつの間にか娘の彼氏で、しかもデート帰りにバッタリか。
結局、同棲は反対されたまま。
『高梨さーん、院長って絶対あの頃から俺に対して厳しくない?』
『そんなことないと思いますけど……ねぇ、麻耶。』
他愛ない話をして、大笑いして。
気付けば、金曜が終わろうとしている。
ここがミラノなら……まだ夕方か。
1日ってなんで24時間なんだ。
こうして日本に滞在している間だけ、長くなればいいのに。
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