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触れられただけで、反応してしまうのは、相手が大好きな人だから。
でも、今だけはそれが逆効果だから、望んでないのに……。
『したくなったでしょ?』
唇を合わせたまま話す部長と、視点が合わせられない。
そのまま、また激しく私の舌を絡めとられて。
『ふっ……んっ…。』
そこにあった手が妖しく動く度に、唇の隙間から吐息が漏れる。
でも、頭の中はそれに集中することなんかできる訳がなくて。
壁に突いていた部長の手が、私の背中に回った。
『……彩星のスイッチ入った?』
部長が耳元で囁いてから、耳朶を舐めて咬んで、刺激してくる。
背中の手が、きつく抱きしめてくる。
『そんなこと、ないですっ。』
再び始まったキスの嵐。
唇を咬まれたり、吸われたり、舌で口内を探られて。
『でも、ここまで。』
唇を離した部長が、艶っぽさ全開で微笑む。
そして、もう1度きつく抱きしめるように腰に腕が回されて。
私は身を捩ることもできなくなった。
頬に優しく落とされたキス。
自分でも分かるほど潤んだ瞳で、私は部長を見つめた。
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