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企画部に戻ると、立花さんが私を探していて。 『どこに行ってたの?gentleの木崎さんから電話入ってたよ。』 『あ、メールの返事かな。ありがとう。』 部長の香りと手の感覚が、身体にまだ残ったままだけど、無理矢理仕事モードに戻した。 『木崎さん、お電話いただいてすみません。』 『こんにちは。彩星、メール読んだよ。今週金曜までには話が纏まると思うんだけど、打ち合わせる段階になるかはまだ読めなくて。 でも、ミニボトル案はいいと思うから、推してはいるんだ。 デザインも念のため考えててもらえる?』 『あ、はい。畏まりました。』 『それから、仕事が終わる頃に下で待ってるから。』 『えっ?!』 聞き返す間もなく、聞こえてきたのは終話を報せる単調な音。 今日、待ってるって…私、部長と帰るのに。 ―『俺に任せて。』― 部長にそう言われたからには、言っておかなくてはいけない気がする。 遅ればせながらデスクに戻った部長を見たら、電話をしながらも私のことを見つめていて。 一瞬にして、仕事モードから引き戻された。
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