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デスクに常備してある、お気に入りの付箋。
会社で買っているものじゃ味気なくて、自分で買ったものばかり使っちゃう。
大切な要件、人にメモとして渡すとき、気分を上げたい時。
シーンに合わせて買ったら、結構なバリエーションが集まった。
星型で、縁がゴールドのラメでトリミングされた1番お気に入りの黒い付箋。
白インクのペンで、部長にメッセージを書く。
〈先程、木崎さんに下で待ってるって言われました。〉
話しながら受け取って、目を通した部長が眉間に皺を寄せた。
席に戻って時計を確かめる。
定時まであと1時間。
本当に冬也はいるのだろうか。
交通費の清算とスケジュール調整をして、パソコンでの作業に没頭する。
今日はこれを済ませたら帰ろう。
『お疲れさま。これお願いしていい?』
後ろを通りかかった部長から手渡されたのは、交通費清算の内容と付箋。
承認権限がある部長は、入力だけは他の人に依頼しなくちゃいけなくて。
『はいっ。』
思ったより大きな声で返事をしてしまって恥ずかしくなる。
私を見て微笑んだ部長が、ホワイトボードに予定を書き始めた。
〈外出、直帰〉
『じゃあ、お先に。』
ウインクしながらそう言って、部長が企画部を出て行った。
『やだぁー、もうっ!高梨ちゃんったら顔真っ赤。』
隣に座っている武田さんが、私の肩をバンバン叩く。
そりゃ、真っ赤にもなります。
全然慣れてくれないんです、私の身体。
〈分かった。彩星は気にしないで、俺と待ち合わせて。
それとも、待ち合わせ場所変えようか?……非常階段に。〉
部長の、バカっ……。
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