106人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
その瞳は。
透き通っていて、いつも私を見透かすよう。
無邪気に笑った時は、キラキラとして。
仕事と向き合う時は、黒縁眼鏡の向こうから刺すような鋭さを持つ。
そして、私を妖艶に見つめる時は。
まるで、スナイパーが至近距離でロックオンするような、真っ直ぐなものに変わって。
それに映る私は、動けなくなって。
まるで、ハントされたような…。
ハント…。
開けた視界に、企画の詳細を表示したパソコン。
カタカタと、思い浮かぶままに英字を打つ。
―Love hunter―
このマスカラを塗った女の人をハントしたくなるような、魅惑的な睫毛。
ごほうびに、キスチョコを1つ頬張った。
部長からハントされるなら、いつでもいいのに。
このチョコみたいに、甘くてとろとろと溶けていくのに、舌に纏わりつくのはビター。
味わったら、虜になってしまうから。
もう、逃れられなくていい。
最初のコメントを投稿しよう!