Moonlit night of the dark blue

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好きにさせてって言った部長は、本当に壊れそうなくらいに私を求めてくる。 途中で波にさらわれそうになった私を、現実まで引き戻したり。 もっとキスしてほしいのに、鼻先が当たる距離で止められたり。 焦らされ続けて、もう限界に達しそうな時、一気に部長が攻めたててきて。 息を切らしながら、1度果てたものの、まだ完全に手離してない理性で、覆い被さる部長を見つめる。 『まだだよ、彩星。これからでしょ?』 ふわふわと浮遊するような感覚から抜けられずにいる私に、口移しで水を飲ませてくる部長は、ミラノに行って、男らしい妖艶さが増したような気がする。 飲みきれずに唇の端から零れた一筋が、首を伝って転がっていく。 その跡を辿るように、部長の柔らかい唇が下りていって。 『もっと欲しいって言えたら、おしまいにしてあげる。』 1ヶ月記念でプレゼントしてくれたネックレスのチェーンを指に絡めて遊ぶ、上目遣いの部長と視線が合った。 もう終わりにしてくれないと、身体が本当に壊れてしまいそうな予感と、もっと波にさらわれたいと疼く身体。 だけど、その言葉を言うのも恥ずかしくて。 『……もっと。』 『じゃあ、してあげる。』 『えっ?!』 吐息が掛かった耳。 終わりにならなかった、嬉しい裏切り。 何度も攻められて、焦らされて。 部長を見下ろしたり、背中に感じたり。 まだダメだと言われる度に、身体はもう止まらなくなりそうで。 『…………壊れてもいいよ。』 激しく揺さぶられる身体と、離れないように掴まれる肩。 そこで、私の記憶は途切れた。
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