Love hunter

フランスには、梅雨がない。
だから、同じ季節でも日本とはちょっと違う。

そして、私にとっては、とても思い出深いひと月。

私がこの会社に転職した日。

部長に、出逢った日。

気持ちが、好きに傾いた日。

それから、温泉に半強制的に連れて行かれて。

そして、告白されて。

帰り道に、このピアスをプレゼントされたんだよね。

今思えば、怒涛の２週間だったなぁ…。
あの１４日間があって、今があるんだから、本当に人生って不思議だと思う。

最初から今まで、部長は私のことを大切にしてくれた。

ちゃんと私の気持ちも汲んでくれていたと思う。
だからこそ、お互いの気持ちが通じたからと言って、無理に抱こうとはしなかったんだって分かる。
アピールはするけど、それはきっと私への気持ちの表れでもあって。

ちゃんと、好きだって、言葉にしてくれた。

恋愛にそれなりに慣れているはずの２人なのに、振り返ってみると笑っちゃうくらい不器用で。
恥ずかしくなるくらい、真っ直ぐで。

ヤキモチを妬いたり、信じているはずなのに揺らいでしまいそうになる時もあった。

『信じて。』

って、その度に私の気持ちをギュッと離さずにいてくれた。

仕事で悩んでいるのも、隠れて泣いたことも、ただの強がりでさえも、部長にはお見通しで。
それはきっと、私のことをちゃんと見ていてくれたから。
心に留めて、考えて、想っていてくれるから。

だから、どんなことがあっても、部長はちゃんと私の笑顔を見つけてきてくれる。
傍にいても、離れていても。

私にとって、１番大切なもの。
見失ってはいけないもの。

やっぱり何度考えても、それ以外のものはないって言いきれる。

部長の笑顔も、私にとって、何にも代えがたいものなんだ。