Love hunter

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1週間前にリハーサルをした通りに、教会の大きな扉の前で、パパと腕を組む。 『パパ…。』 『何も、言うな。』 パパの手は、さっきから何度も目元を押さえていて。 その姿を見ていたら私まで、泣きそうになってしまう。 『宜しいですか。式を始めます。』 プランナーさんの声で、背筋がシャキッとした。 隣にいるパパは、手に持った白いグローブをギュッと握っている。 開かれた扉の向こう。 弦楽四重奏の音色が響き渡る空間と、陽光が差し込む美しいステンドグラスの窓。 そして、百合の花で飾られた白く長いバージンロードを、1歩ずつゆっくりと進んでいく。 しっかりと、今の気持ちを確かめるように。 『彩星、パパの娘でいてくれてありがとう。』 半分くらい進んだところで、パパが呟いたその声は震えている。 私の視界がどんどん滲んでいこうとするけど、今日は人生で1番可愛く綺麗でいる日だから。 ……笑顔で、部長に会いたいから。 『うん。ありがとう。』 って、返すのが精一杯だった。 小さい時から、今日までのことが一気に蘇る。 ……パパ、私も幸せだったよ。 今日からは、もっと幸せになるからね……。 辿り着いたバージンロードの終わり。 祭壇の前に立つ部長の腕に、そっと手を添える。 やっぱり、間違ってなかった。 私の大切なものが、1日でもなくならないように。 そのために、私は毎日笑顔でいたいから。 部長の両手が私の肩を僅かに引き寄せて交わされた、優しい約束。 『……愛してるよ。』 大好きな人の笑顔で零れた1粒が、Love hunterの睫毛を揺らした。                                 ーfinー
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