第1章

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この封書の差出人を見て、姉妹の母親は私を確認するように嘗め回して見てきたんだ。 わかりやすい偏見、または差別の目で。 きっと、この封書を見ながら、家族でさんざん噂話をしたんだろう。 で、届けるのが夜遅くになったと。 くっだらない。 暇人が。 人生で、これがはじめて受けた差別だった。 低俗な家族のおかげで、あっという間に学校で私達親子が在日だということが知れ渡る。 これきっかけで、わっかりやすいイジメが始まりだすんだけど。
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