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「イグナー、風呂あいたぞー」
「おー」
マスター室で溜まりに溜まった書類仕事を片付けていると、開けっ放しになっていた扉からセリウスがひょこりと顔を出した。
いつもさらりとしている髪はしっとりと濡れ、毛先からぽたぽた水滴を滴らせている。
「まーた濡れたまんまかよ、ちゃんと乾かさねーと風邪ひくぞ?」
「んー」
小言くさく言えば、セリウスは曖昧な返事をしてリビングのほうに引っこんでいった。目が眠そうにしぱしぱしていたし、もうそろそろ限界なのだろう。
俺も早いとこあがって布団に入ろう、と、アモルが準備してくれたタオルと着替えを持って風呂場へ向かった。
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