9月1日

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寝台に腰かけ、眠るセリウスの頭を撫でる。 何度か撫でると、ぐずるように顰められていた眉からしだいに力が抜け、寝息が穏やかになった。 それでも俺の服の裾を離さない手に苦笑し、そっと裾を引き抜く。 ぱたりとシーツに落ちた手をどかし、セリウスの隣に潜り込んだ。 彼を運んだら自分の部屋に戻るつもりだったのだが、魘される彼を見てしまえば、なんとなく一人にできなくなってしまった。 腕を枕にして寝ころび、未だに濡れているセリウスの頬を撫でる。 くすぐったそうに身をよじる彼が何だか愛しくて、起こさないようにそっと引き寄せた。 そのうちに俺の瞼も落ちてきて、眠たい頭のまま、セリウスの寝顔を眺める。 すよすよと眠るその顔には、魘されていた名残はどこにもない。 「……おやすみ、セリ」 安心しきったように眠るセリウスにそっと囁き、瞼に口づけて俺も目を閉じる。 今夜はもう、過去の幻影に魘されることがないように。 いつか、彼が心から幸せだと笑える日が来るように。 セリウスの体温を隣に感じながら、心の底からそう願った。 翌朝目覚めたセリウスが心底驚いて寝台から落ち、頭にたんこぶをつくったのは、また別の話。 END
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