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「勇者。今度は何植えてんだ」
「んお?これが芋で、そっちが甘藍。そっちの一帯は玉葱と人参」
「様々植えたなぁ…」
「こんだけ広い庭なんだ、どうせ使うなら実用的なもの植えた方がいいだろ」
「それもそうか……あっちは何植えてんだ?」
「ん?ああ、あっちは花壇」
「花壇?」
「予定だけどな。魔国って四季がはっきりしてるだろ?だから季節ごとの花でも植えようかと。実用的なものっつっても畑だけじゃ味気ないからな」
「…そうか」
「そのうち桜と紅葉の木を調達しねえとな」
「……そうだな。ああ、そうだ。茶と菓子持ってきたから、少し休んだらどうだ」
「ん、今日の茶菓子何?」
「抹茶羊羹」
「お、いいねぇ。ちょっと待ってろ」
「ああ」
「………」
「………」
「……なあ」
「んんー?」
「…桜と紅葉、週末にでも見に行こうか」
「おう」
春の午後、縁側で。
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