9月14日

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「なあ魔王」 「ん?」 「今度庭に植えたいもんがあるんだけど」 「なんだ」 「マンドラゴラ」 「まんど…ああ、叫呪草か。なんでまた?」 「ん、街で聞いたんだけど、この辺にマンドラゴラ自生してなくて薬が少ししか作れないんだろ?」 「ああ。結果輸入に頼り切っていて、年間の輸入額が痛いんだよな」 「だからさ、ここの庭で栽培して街の薬屋に提供すれば安く薬が行き渡るんじゃねえかと思ってさ」 「なるほど…だが叫呪草の種はそう簡単には手に入らないと聞いているが?」 「そこは大丈夫だ。迷子ってるときに寄った村でもらった」 「何でその村にあったんだよ…まあ、植えるのは構わない。庭は完全にお前の領分だからな。薬屋に提供する件については元老院に掛け合って、試験的にやってみよう」 「お、さんきゅ。とりあえず隅っこでやってみるわ」 「ん、頑張れ」 「おう」 とある日の朝ごはん。 魔王城に勇者の領分があるって何かいいよねって話。 王国とか勇者とか全部忘れて魔国のこと考えちゃう勇者。
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