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俺達は、拓海と麻悠が恐らく向かっているであろう四つ角の近辺を捜索した。
そして、その捜索は意外にもわずか数分足らずで終わり、
「おい、あの街頭の下らへんに人影見えないか?」
という明人の一言で解決したかのように思えた。よく凝視して見ると、わずかに人影が二つあるということに俺も気づいた。
「でかした、明人! お前もたまにはやるよな!」
俺は嬉しさの余り、明人の肩を思い切り叩いてしまった。明人は若干痛かったのか苦笑い気味だったが、それでも自分の手柄と知ると、半分照れを隠さずに頭を掻いていた。
「よし、じゃあ大地に報告するよ。」
そう言って、直敏がスマホを取り出して電話をしようとすると、なぜか千夏が悪夢を見たかのようにこう言いだした。
「ちょっと待って、みんな!なんか変だよ?? それに匂いも…する…」
千夏がそうしていきなり鼻を塞ぎ出したので、俺と明人は勇気を出してその人影に近づいた。
そこには、信じがたい光景が俺の目前に映っていた。
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