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「ねえ、知ってる?うちの学校で、芸能界デビューする子がいるらしいよ」 勝手に耳に入ってきたのは、噂好きなクラスメイトの女の子の声。 「え~!マジで!?」 「誰だれ!?」 「それがさぁ…」 そんな胡散臭い噂話を聞き流しながら、私はクラス40人分のノートを抱えて、職員室へと向かった。 「…おもっ…」 ちっこい私には40冊のノートの量は、かなりヘビー。 あ~あ…今日が日直だなんて、ついてない。 相方の男子生徒は、どこに行ったかわからないし… 多分、自分が日直だってこと忘れてる。 校内は、憂鬱な中間テストが漸く終わりを迎え、解放ムード。 皆、清々した顔で浮き足立っている。 そんな中、諦めモードでとぼとぼと廊下を歩いていると、不意に肩越しから手が伸びてきて、 「―っ!」 驚きで、声にならずに息をのみ、身体が硬直する。
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