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…大体、こんな大っぴらにするつもりじゃなかったのに!
「もう!ほんとに、野々村君のせいで…!」
思わず、ここにいない人への文句が漏れる。
体育館裏で気持ちが通じ合ったあの次の日。
またも朝イチバンだった。
スタスタと私のところへやってきて、突然握手。
「おめでとう!両想い!いやぁ~良かった良かった。玖音をよろしく!!」
握った手をブンブンと振って、偉そうな社長みたいな口調で、野々村君は思いっきり暴露した。
驚きすぎて唖然としていると、クラスメートの一人が食い気味に割って入ってきた。
「ちょ!それって、羽瀬と中田がカレカノってこと!?」
「え?あのっ…」
「…そうだけど」
「いっっってぇっ!」
どもる私の代わりに応えたのは、羽瀬君だ。
野々村君に手刀をくらわせ、私の手を解放させるのも忘れずに。
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