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「「「ええーーー!!」」」と教室内が騒然とする中、私は一人呆気に取られていた。
まさか羽瀬君が堂々と交際を認めるとは思っていなかった。
というよりも、
……カレカノって
そっか…私、羽瀬君と付き合っているんだ…
今更な実感に浸ってしまった。
「好きだ」と言われたけど、「付き合って」とは言われてなくて。
彼氏いない歴=年齢の私には、あれで二人のお付き合いが成立したとわかっていなかった。
解放された手を胸の前で握り締めたまま、ちらりと初カレを見上げる。
すると、私の頭にポンと優しく手を置いて、べっ甲飴の瞳を細め、右端の口角を上げた。
いつもの意地悪な笑みなのに、ぼわっと頬が熱くなる。
だけど、それはほんの一瞬のことで、羽瀬君は何食わぬ顔で自分の席へとついた。
ううっ…なんか…やられた…
こんな些細なことにズキュンと胸を撃ち抜かれた。
皆は変人扱いするけど、やっぱり私の初カレは格好いい。
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