*番外編* あなたとわたしの距離

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* * * * * * * 放課後、お決まりの忍者屋敷…もとい羽瀬君宅。 今日は新曲のアレンジ作業だから、羽瀬君と私の二人だけ。 小休止で、ゲンちゃんパパの差し入れのふわっふわのシフォンケーキを頬張りながら、ちょっと愚痴る。 「みんな、羽瀬君のことが気になるんだね…」 「…ん?」 「だってね、ここのところ、いろんな人が聞いてくるの。羽瀬君とどんな話してんのって」 羽瀬君はフォークも使わず、手掴みでシフォンを口へと運んだ。 2、3口ですべてを食べてしまう豪快な食べっぷり。 男子にしては線が細い方だと思うんだけど、意外に羽瀬君は大食いだ。 今度、お菓子とか作ってきたら、食べてくれるかなぁ… そんなことを考えながら、ぼんやりと羽瀬君の食べる姿を見ていた。 すると、食べ終わった彼が、徐に眼鏡をはずして頬杖をついた。
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