4512人が本棚に入れています
本棚に追加
* * * * * * *
放課後、お決まりの忍者屋敷…もとい羽瀬君宅。
今日は新曲のアレンジ作業だから、羽瀬君と私の二人だけ。
小休止で、ゲンちゃんパパの差し入れのふわっふわのシフォンケーキを頬張りながら、ちょっと愚痴る。
「みんな、羽瀬君のことが気になるんだね…」
「…ん?」
「だってね、ここのところ、いろんな人が聞いてくるの。羽瀬君とどんな話してんのって」
羽瀬君はフォークも使わず、手掴みでシフォンを口へと運んだ。
2、3口ですべてを食べてしまう豪快な食べっぷり。
男子にしては線が細い方だと思うんだけど、意外に羽瀬君は大食いだ。
今度、お菓子とか作ってきたら、食べてくれるかなぁ…
そんなことを考えながら、ぼんやりと羽瀬君の食べる姿を見ていた。
すると、食べ終わった彼が、徐に眼鏡をはずして頬杖をついた。
最初のコメントを投稿しよう!