story1

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幾ばくかの静寂。 それを破るのはやはり遥斗で、 「ここにはお前を傷つけるものはない。」 少女を抱き締めたまま囁く。 その声音は絶対だというかのように落ち着いている。 「大丈夫だ。」 たったそれだけ。 それだけで少女は落ち着きを取り戻していく。 「洸出てろ。」 洸は何か言いたげな顔をしたが、それが最善ではないことを、今必要なことを、医者であるからこそわかる。 「あぁ。」 道具はすべてそのままに洸は部屋から出ていった。 残るは今だ抱き合う二人のみ。 さらにそれから数分、
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