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どうも私がぶつかったのは、頭元に立つ彼らしい。
当たった場所といい、退いてはみたものの彼の肘にフラついてコケタんだろう。
悪気はないんだろうけれど、彼が振り返った時スニーカーで肩を蹴られて、無意識に守るよう抱きしめたカメラ。
そんな彼も手にカメラを持っていたから、ほんのちょっとヘンな感じがした。
こんなに広い世界で、同じ時間に、同じ場所で、同じ事を考える人間がいるんだ……と。
確かにこの美しい瞬間を撮らないなんて、もったいない。
まぁ……転んだおかげで、収める事は出来なかったのだけれど。
長いスカートを穿いていたから脚に絡まって上手く動けなくて。
ほんのちょっと焦ってる私は、目の前の彼が手を伸ばして何かを言っているのに聞きとれなくて。
次の瞬間には彼の腕の中にいた。
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