9人が本棚に入れています
本棚に追加
アムルシャスとローリエは町で三日間を過ごした。そして例の剣が鍛造される日。
アムルシャスとローリエは三日間お世話になった宿屋を後にして鍛冶屋へと向かっていた。
「まったく、本当にあなたという方は…」
ローリエ様は朝からご機嫌斜めの模様。
そしてアムルシャスの額には何故か絆創膏が貼られている。
これにはもちろん理由がある。
昨夜の出来事である。
「ローリエ、食事の時間ですよー」
アムルシャスが台所からローリエを呼ぶ。アムルシャスは見事な手際でフランス料理を拵(こしら)えていた。
この時間ローリエは部屋でくつろいでいる。
アムルシャスはローリエを呼びに部屋へと向かった。
部屋のドアに鍵などという便利なものはついていない。所詮は宿屋の一室である。
ガチャ
ドアノブを捻り部屋へ入る。
アムルシャスの目には女性の背中が写った。
(綺麗な背中だ……)
アムルシャスはそう思った。
それとほぼ同時にその女性がこちらへ顔を向ける。
そして「何か」が飛んできた。
「ローリエッ!?」ガツンッ!!!!
アムルシャスの顔に部屋に飾ってあった銀製の像が直撃した。
さすがのアムルシャス(とりあえず魔族)でもこれは効いたようで倒れた。
倒れながら彼は考えていた。
(なぜ服を脱いでいるのだ?)
ローリエが服を着てない状態で駆け寄ってきたように思えたが意識が朦朧としていてアムルシャスはそれどころではなかった。
そして彼の意識は混沌の闇の中へ吸い込まれた。
最初のコメントを投稿しよう!