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そして現在に至る。
「あなた本当に魔族なの? 魔族ならあれくらい簡単に避けられるでしょうに」
ローリエがちょっと不機嫌そうに聞いてくる。彼女なりに少しは心配している。
「あなたから受けるものは私にとってはすべてご褒美です!(キリッ)」
「やっぱり当たりどころが悪かったかしら… いつも以上に変だわ」
何故かキメ顔のアムルシャスを傍目に頭を抱えるローリエであった。
そんなやり取りをしているうちに鍛冶屋へ到着した。
「お、華ちゃん。来たな。それに貴族服の兄ちゃん。史上最高の品が完成したぜ」
※華=ローリエです。忘れないで下さいね。
鍛冶屋のおじさんがいかにも高級そうな風呂敷に包まれた剣を台の上に置いた。
「華ちゃん、開けてみな!」
ローリエはアムルシャスの方へ向く。
「さぁ、開けてみなさい」
アムルシャスは笑顔で促す
ローリエは風呂敷の結び目を解く。
ヒラリと風呂敷が重力に従って開いた。
「「すごい……」」
そう声に出したのはローリエだけではなくアムルシャスもだった。
彼自身もここまで見事な剣になるとは思ってもいなかったのだろう。
「どうだ驚いたろう!はっはっはっ!!」
鍛冶屋のおじさんが自慢げに笑う。なんと豪快な男だろう。アムルシャスはそう思った。
そして鍛冶屋のおじさんが剣の説明を始めた。
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