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男たちの詰問に否定することも出来ない。
男たちの手には鍬、鎌、剣などが握られていた。恐らく自分を殺す事を前提にしているのは確かであった。
「さぁ、言い残すことはあるかい?」
剣を持った男が狂喜の表情で近付いてくる。
自分の目の前に立つと剣を振りかぶった。
「私は…」
「んだよ?早く言えよ。俺たちも敵討ちしてさっさと飲みたいんだよ。」
後ろの方にいる男が煽る。
「私は、あなた方のような穢れきった人間を許しません。私が村を襲ったなどと言い掛かりをつけてあなた方の罪を擦り付けるつもりのようですが、どうでしょう?」
私は残りの力を振り絞って男たちを挑発した。
(もう言いたいことは言った。私は正しいことをした。この男たちに悪魔の鉄槌を…)
「このクソ女が!殺してやる」
男が剣を振るう。
(さようなら、穢れの世界…)
私は瞼を閉じた。
グシャッ !
草むら、木々に鮮血が飛び散った。
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