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「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「何だ貴様は!」
男の断末魔が聞こえる。
周囲の男の声が聞こえる。
聞こえる。聞こえる…
「え、聞こえる! 生きてる!?」
瞼を開けると自分を殺そうとしていた男が倒れていた。
死んでいる男よりも自分が生きていることに驚いている。
「え? なんで…」
疑問の声が溢れた。
「その疑問、私が答えましょうか?」
寄り掛かっている木の横に男が立っていた。
本で見たことがある。ヨーロッパ貴族のような服装。その立ち振舞いは執事のようで隙がない。しかし雰囲気は人間ではない。綺麗な人間も穢れた人間も見てきたがこのような雰囲気を持った人間は初めてだ。
「貴方は何者?」
自分のことよりもこの男の事が気になった。
「お嬢さん。先程と質問が違いますよ。どちらにお答えしましょうか」
貴族風の男が笑顔で対応する。
「え、えっと。あなたの事を教えてほしいです」
「かしこまりました。私はあなたを助けに来ました。」
また頭のなかに疑問が浮かぶ。それを言う前に、もはや外野となった自分を追ってきた男たちが割り込んできた
「この女に手を貸すのか?ならお前も死ね!」
男たちが一斉に襲い掛かってくる。
「少し待っていてください。」
男は剣を抜いて男たちに立ち向かった。
「あなたまで死んでしまうわ!」
私は咄嗟に叫んでしまったが勝敗はすぐに決してしまった。
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