自白日和

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「お前な。人のことばかり悪く言うなよ」  親父は電話を奪うと俺にトドメを刺した。 「俺はな、母さんに真っ赤なレースの下着が好きだって言っていたんだ。エイカが着ていた下着なら例え腹の肉で下着が埋もれていても・・・て淡い期待を寄せていた。けどな、エイカの下着じゃないわ、殆ど黒だわ・・・男のロマンを壊された気持ち、お前なら分かるだろう?」  親父は誰もが尊敬する教師だ。教育者の鏡とまで言われ、今だに多くの教え子から手紙が届く。俺はその重圧に負け、一人暮らしを選んだ。 「二人とも言ってる意味わかんねぇよ。だいたい、この年になって親の夜の営み聞きたくねぇよっ!」  あんまりムカつくからそう言って電話を切った。
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