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俺は公園をみつけるとベンチに腰をかけた。向こうの方でカップルが喧嘩をしていた。何が原因か知らないが互いに罵り合いを繰り返している。見ていてあんまり良い気分がしない。俺はアパートに戻ろうかと腰を上げた。
「――良かった。やっとみつけた」
振り返ると同じ大学に通う見覚えのある顔がこっちを見ている。顔は知っていても名前も何も知らない子。何だかまた、聞きたくないことを言われるようで顔が引きつった。
「な、何?」
「あ、あのね・・・」
そう言ったきり何も言わず俯いた。
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