五里霧中編_漆

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  私が1人で過ごすことができるのは、鏡の心遣いのお陰だ。 部屋は元々、全室バリアフリーだったのだが、 鏡は私が使う部屋の全てに補助棒までつけてくれた。 その上、 鏡が用意してくれた電動車椅子は リクライニングまでして、簡易ベットに早代わりする。 鏡は毎朝、私をベットから車椅子に下ろしてくれて 平日も0時過ぎには帰宅し、私をベットに運んでくれる。 仕事が片付いたから、と鏡は毎晩言うが 家に帰ってから、 鏡が書斎で、また、仕事をしていると知っている。
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