高校三年生

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ーー3年生になりクラス替えはないが残念ながら席替えがあった。 私は真ん中の列の1番後ろで、加奈が前から3番目の窓際で、ゆきが前から2番目の壁側になった。 でも隼人くんが私の左隣にいる。 3時限目が終わり休み時間ーー 「実桜ちん!数学の教科書忘れたー!見せて!」 隼人くんが話しかけてくる。 「え?また?」 次の授業は数学だ。 昨日も数学の教科書忘れてたのに…。 忘れ物が多い人だなぁ。 「ちょっと隼人!いつもいつも忘れ物しすぎだよ!実桜が迷惑してるよ!」 「なんだよ加奈ー、だって忘れ物した方が机くっつけてヒソヒソ話できるだろ?」 「あんた、わざと!?」 「うん!」 隼人くんが返事をすると同時に後ろからバシッと教科書で頭を叩かれている隼人くん。 振り返るとゆきが私と隼人くんの後ろに立っていた。 「ゆき?」 「ったく、いつもいつも…。いくらお前でも実桜と近すぎるのはダメ」 「はい、ごめんなさい」 隼人くんがシュンっと反省している。 あ、そうだ! 昨日ゆきと一緒に勉強して数学のノート借りてたんだった! 「ゆき!ノートありがとう!」 「あぁ、はいはい」 ゆきにノートを渡し、顔を見る。 あぁぁぁ、いつ見てもイケメンですね! 「実桜ちん、目がハートになってるよ」 ひぃぃぃ、言わないでよ隼人くーん! そしてゆきと目が合い、ボッと顔に火がつく。 私は咄嗟に目を逸らし、俯く。 もう…どうしてそんなにステキなの! ーーこうしてみんなそれぞれ進路に向かって勉強したりであっという間に時間が過ぎていく。 私も管理栄養士になろうと学校を探したり、ゆきと離れる事に不安も抱きながら毎日を過ごしていた。 ゆきはやっぱり医大に行くらしい。 加奈はファッション系の仕事がしたいらしくデザイナーとかを目指しているらしい。 隼人君はとりあえず大学に行くみたい。 私達は無事高校を卒業し、 みんなそれぞれの夢を持って歩き出す。 ーーーーーーENDーーーーーー
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