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フと下を見ると、私のお腹あたりにゆきの両手があって、私の両手が中に治まっている状態。
私は中からゆきの手を広げようとすると、ゆきがパーをして私の手を離し両手の手の平を見せる。
パチンパチンと私がゆきの手の平を軽く叩く。
たまにギュッと手を掴まれるがすぐに離され…の繰り返し。
「…重たい?」
「ん?うーん…重たい」
な!ショック!!レディに向かって失礼な!
嘘でも軽いって言ってよー!!
「降ります」
「ウソウソ、軽いよ」
ニタニタ意地悪そうな顔で笑っているゆき…。
ホントにSなんだから…。
ムゥゥ……ゆきを睨む。
「怒った顔も可愛い…」
「そんな訳ないでしょ!」
「あるよ」
「ないよ」
「あるって」
「ないって」
「頑固…」
「どっちが?」
「どっちも」
目が合うと、クスクス2人で笑う。
私ってホント単純…。さっきまでお母さんの事で泣いていたのに、ゆきといる時は悩みもすべて無くなってしまう。
「実桜?」
「ん?」
「1人で悩むなよ?」
「…うん」
私をもう一度強く抱きしめてくれる。
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