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私達は公園から出てゆきの家に向かう途中。
クリスマスで街は、人やイルミネーションなどで賑わっている。
「今日何時まで一緒にいれる?」
「8時位までなら大丈夫だと思う」
うちはお父さんと兄が門限が厳しかったせいか、時間にはうるさい家庭で育った。
なので、私もお母さんも出掛けたりしたら早く帰ってくるのが当たり前になっていた。
加奈みたいに彼氏の家にお泊まりなんて絶対許されない…。
「あ!でもそんな遅くまでいたら、ゆきの家に失礼だよね」
「いや、うちは全然大丈夫だよ。むしろ実桜なら大歓迎だと思う」
「いやいや~」
そんな事はないと思うけど、そう言われると嬉しい。
ゆきの家に着き「おじゃましまーす」と言い、靴を脱ぎ中に入る。
しーんとしていて誰もいないようだ。
「飲み物とか持っていくから、先に俺の部屋に行ってて?」
「あ、うん」
私は言われた通り、階段を上りゆきの部屋に入る。
いつもと変わらない、ゆきの匂いがする部屋。
私はコートを脱ぎテーブルの側に座り、鞄からケータイを取り出し、お母さんに遅くなるとメールする。
ケータイを戻そうと鞄を開くと、ゆきに渡すプレゼントが入っている。
いつ渡そう…喜んでくれるかなぁ。
前に加奈と一緒にプレゼント探しをしに買い物に行った時に購入した物だ。
中はマフラー。
手編みではないけど、良い素材を使っているマフラーにした。
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