クリスマス

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もぅ送ってくれるのが当たり前になってきてしまっている。 私が送らなくていいよって言ったところで聞いてくれないんだと思うし。 そして当たり前の様に手を繋いでくれる。 「実桜…正月は家にいるの?」 「うん、お兄ちゃんも帰ってくると思うし」 もぅお正月かぁ…毎年お兄ちゃんが帰ってきてどこも行った事ないなぁ。 「ゆきは?」 「うちは親父も休みだし、今年はドイツかな」 へ?ドイツ? 「ドイツって日本じゃないよね?」 「ハハ!日本じゃないよ」 「今年はって事は、毎年海外に行ってるの?」 「あぁ…うん。でも正月くらいしか親父の休みがないから一週間位で戻ってくるんだけどね」 す、すごい…。 さすがお金持ちと言うか…。 「でも、俺が一緒に行くのも今年が最後かなぁ~。来年は大学受験もあるし」 「そっか…」 「まぁその為にもドイツに行って、少しはドイツ語学ばなきゃなぁ…」 ゆきはやる事が決まっていてすごいなぁ…。 私、なにがしたいんだろう。 来年はもうみんな就活とか大学受験の為に忙しくなるんだろうなぁ…。 「…そういえば前に秘密って言って教えてくれなかったけど、実桜は大学に行くの?」 わからない。 何も決めてないし、やりたい事も見つからない。 恥ずかしい…。 「実桜?」 「ごめん、今のところまだ秘密でお願いします」 「…そっか」 言えない…まだ何も決まってないなんて。 「言える時が来たら、ちゃんと言うから」 「うん…わかった」 ごめんね、こんな彼女で。 これからもっと真剣に考えるから…。 私の家に着き、ゆきに手を振る。 ゆきも角を曲がるまで手を振ってくれる。
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