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「だから実桜のバイト先が他のやつにバレるのも時間の問題だし…」
「・・・?」
問題だし…の続きが気になり首を傾げて、ゆきを見る。
「俺ホント余裕無くてさ、実桜を他のやつに取られたくなくて最近ホント焦ってきちゃって」
「なに言って…」
まるで別人みたいなゆきの言葉…。それにこんなに喋っているのを見たのは初めてで、私は唖然としてしまう。
ゆきも私の顔を見て、目が合う。
吸い込まれそうな瞳に、目を離せない。
「好きなんだ、実桜の事」
「え!?えぇっ!」
私は何がなんだかわからずにベンチから立ち上がってしまう。
ゆきは何を言っているの?
学校でモテモテのチョーイケメンで成績トップの杉中 雪斗が私に告白してる。
私の顔はみるみる赤くなっていく…
「い、いつから!?」
「喫茶店で初めて会った時かな」
え!?初めて会ったのは1年半も前だし…
「あの時、特に何も話したりしなかった気がするんだけど…」
「…一目惚れってやつかな」
「ひ、ひとめ…」
その言葉に固まってしまい。
ゆきは私の腕を掴み、私をベンチに座らせる。
さっきよりも近くなって、ゆきの足が私の足に軽く触れている。
「その挙動不審なところも、バイトでお客さんに注文聞いて真面目に働いてるところも、可愛いし」
「・・・・」
ドキドキし過ぎて心臓がヤバイ。
ゆきに聞こえているのではないだろうか。
「…実桜は、好きなやついるの?」
「う、うん…」
ゆきのこの真っ直ぐで真剣な目に、私は見られてるのが恥ずかしくなり、つい目を逸らしてしまい。
「…俺では、無さそうだな…」
「え?」
その言葉に私は目を逸らした事に後悔し、ゆきを見ると…下を向いて悲しい表情をしている。
「…ゆき」
「・・・?」
ゆきは私の顔を見てくれた。
もぅ目は逸らさないで、ちゃんと言おう。
「ゆき…だよ」
「…ん?」
「私の好きな人は、ゆきだよ」
言えた!ちゃんと言えたよね?
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