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それから30分後ーー
私とゆきが手を繋いで無言でいると…
「実桜ー!隼人に負けたぁー悔しい!」
「加奈!」
加奈と隼人くんが私達の元へ来て、加奈が悔しそうに話す。
加奈は別に2人でいる事は気にしてないんだね。
友達と恋愛の境目ってどこなんだろう。
「実桜?どうしたの?ゆき君と喧嘩した?」
加奈が私の顔を覗き込んで聞いてくる。
ハッ!もしかして、隼人くんと加奈が私達に気を使って2人にさせてくれた!?
ゆきの方を見ると、ゆきは隼人くんとクイズ問題のゲームをしている。
「加奈、どうして2人にさせてくれたの?」
「なんか隼人が責任感じてるみたいだよ。俺のせいで2人に壁が出来ちゃったんじゃないかって…」
「…隼人くん…」
「あの2人は大丈夫だよって言ったら、そうだよなって苦笑いしながら言ってたけど。ホントにいつまで気にしてんだか…」
加奈が私の隣に座り、隼人くんの方を見て微笑む。
「加奈…ありがとう。ごめんね、春樹さんいるのに2人っきりにさせちゃって」
「なんで実桜が謝るのよ~?春樹さんはちゃんと分かってくれるから大丈夫だよ」
ふふっと笑い、幸せそうな顔をして話す加奈に安心する。
私ってば、無駄な心配を…。
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