39人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
「なんで離れるの?」
「だ、だって…」
額に一瞬チュッとキスをされ、プシュ~と頭から湯気が出そう。
「よしっ!取れたー!!」
大きな声で嬉しそうに喜ぶ隼人くんに驚き、私もつられて笑ってしまう。
加奈はまた悔しそうにしている。
でも加奈も楽しそう。
きっと春樹さんとはゲームセンターとか来ないんだろうなぁ。
友達ってやっぱり違うんだろうなぁ~と思う。
「これ、実桜ちんの退院祝いにあげる」
隼人くんが私に今取れた大っきいポッキーを私にくれる。
「え!?いいの!?」
「ちょっと隼人!それ私が実桜に取ってあげようと思ってたんだよー!」
「だってお前、へたくそで全然取れなかっただろー!」
「実桜、待ってて!私が違うの取ってきてあげるから!」
「待てよ!お前だけじゃ取れないだろ?」
「取れるから、来ないでよ!」
隼人くんと加奈は言い合いしながら別の台に行ってしまった。
私は唖然として2人を見ていると
「実桜はホントに好かれてんなぁ~」
私の頭をポンッと撫でてゆきが微笑む。
嬉しい…
嬉しすぎて涙が溢れてくる。
「ゆき…」
「はは、泣くことないだろ?」
ゆきが私を抱きしめて胸を貸してくれながら、頭を優しく撫でてくれる。
こんなに幸せでいいのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!