退院

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「なんで離れるの?」 「だ、だって…」 額に一瞬チュッとキスをされ、プシュ~と頭から湯気が出そう。 「よしっ!取れたー!!」 大きな声で嬉しそうに喜ぶ隼人くんに驚き、私もつられて笑ってしまう。 加奈はまた悔しそうにしている。 でも加奈も楽しそう。 きっと春樹さんとはゲームセンターとか来ないんだろうなぁ。 友達ってやっぱり違うんだろうなぁ~と思う。 「これ、実桜ちんの退院祝いにあげる」 隼人くんが私に今取れた大っきいポッキーを私にくれる。 「え!?いいの!?」 「ちょっと隼人!それ私が実桜に取ってあげようと思ってたんだよー!」 「だってお前、へたくそで全然取れなかっただろー!」 「実桜、待ってて!私が違うの取ってきてあげるから!」 「待てよ!お前だけじゃ取れないだろ?」 「取れるから、来ないでよ!」 隼人くんと加奈は言い合いしながら別の台に行ってしまった。 私は唖然として2人を見ていると 「実桜はホントに好かれてんなぁ~」 私の頭をポンッと撫でてゆきが微笑む。 嬉しい… 嬉しすぎて涙が溢れてくる。 「ゆき…」 「はは、泣くことないだろ?」 ゆきが私を抱きしめて胸を貸してくれながら、頭を優しく撫でてくれる。 こんなに幸せでいいのだろうか。
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