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「…マジ?」
「マジだよ」
ゆきの顔が赤い。
つられて私も赤くなる。
「実桜は、いつから?」
「…秘密」
貴方のスマイルに射抜かれた時です!
なんて言える訳もなく、秘密なんて言ってしまった。
「えー、俺は言ったのに」
「…いつか言える時に言います」
ホントに私のどこがいいのか、他に可愛い子なんてどこにでもいるのに。
「てかメアド、ホントに交換しない?」
「あ!うん…」
てか今時の高校生がメアドも電話番号も交換せずに付き合うっておかしい気がする…。
私達はケータイを取り出し、メアドと電話番号を交換する。
「…帰ったらメールする」
「うん…」
真夏なので空はまだ明るいが、時間は18時を回っている。
私達はベンチから立ち上がり、桜林公園から出て、ゆきは私を家まで送ってくれた。
あの雨の日以来だ。
「…送ってくれてありがとう!」
「…じゃあ、またね」
ゆきは、私を見てニッと白い歯を見せ微笑む。
こ、このスマイルですよ!!
このスマイルに私はヤられたんですよ!
まだ離れたくないけど時間も時間で。
ゆきは私から離れ、行ってしまった。
私は自分の家の玄関の前に立ち、ゆきが見えなくなるまで見つめてしまう。
ゆきは角を曲がる時、振り向いて私に気付いたのか、手を振ってくれた。
そして見えなくなってしまった。
私は家の中に入り、加奈に早く伝えたくて自分の部屋に直行する。
加奈はデートのはずだからメールにして、今日の出来事を長文にして送った。
するとすぐにケータイが鳴り、あれ?デートじゃなかったのかな?と思いながらケータイを見ると
『今家についたよー!今日は走ってきてくれてありがとう!これから、よろしく』
さっきメアドを交換したばかりのゆきからだった。
ゆきとの初メールに私は嬉しくなり、ベッドに横になる。
『初メールだね!送ってくれてありがとう!今日はすごく嬉しかったよー!これからよろしくお願いします』
と返信する。
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