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暑い夏ーーの授業中ーーー
星南高校の高校2年生である私、冬村 実桜(ふゆむら みお)は只今、
左斜め前に座っている髪がストレートで若干茶系…いや、窓側の席なので光が入ると結構明るい茶系、授業中は黒縁メガネをしていてチョーイケメンのモテ王子、
杉中 雪斗(すぎなか ゆきと)に片想い中…
ーーチャイムが鳴り、休み時間ーーー
「ゆーきーくん、教科書忘れちゃったー貸ーしーて!」
髪の長いクルクル巻いた可愛らしい女の子達が、ゆきに甘えた声で話かけている。
「・・・・」
そして無視???
そぅゆきはクールで、仲の良い友達以外あまり話をしない。
「ねぇーねぇーゆきくん、聞いてるぅ?」
言いながら女の子の1人が、ゆきの顔を覗き込む
「…悪いけど、違う人から借りて」
と女の子達と目も合わせず、メガネを外しながら席を立ち教室を出てどこかへ行ってしまう。
女の子達は「今日もダメだったねー」と言いながら教室を出て行く。
ゆきと話したい為の、教科書忘れた作戦?だったのか…
「実桜ー!今日本屋付き合ってー」
長い髪をふわふわさせながら私の方へ来て、私の肩に手を置き揉み揉み…。
親友の守田 加奈(もりたかな)だ。
「んー、今日バイト休みだから…仕方ない付き合ってあげよう!」
言いながら私は加奈の方を見る。
「わーい!今日ファッション雑誌の発売日なんだよね~」
喜びながら、私の肩を揉む手が速くなる。
加奈はたまにズバズバ言うが、顔は可愛らしい。ファッションにもかなりこだわりがあるらしい。
私は週2~3で喫茶店でバイトをしている。とくにお金に困っているわけではないが、部活にも入ってないしケータイ代くらいは自分で払おうと思い…高校入学と同時にバイトを始めた。
ーー休み時間終わりのチャイムがなり、加奈が私の肩をポンと軽く叩き、自分の席に戻る。
ゆきも友達と笑いながら教室に戻って来て、自分の席に座る。
いや~ホントいつ見てもステキなスマイルですね。机に肘をつき、手の平に顎を乗せ、見てるのがバレないように視線だけゆきに向ける。
あ、メガネかけた…
やーもぅ!メガネ似合いすぎです!
この席は本当に特等席だと思ってしまう。
後ろの席や隣の席も良いけど、私はこの斜めから見る席が気に入っている。
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