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それから1時間以上が経ち、バイトは4時までなのであと1時間で上がる時間だ。
チラッとゆき君が気になり見てしまう。アイスコーヒーは無くなり、テーブルの上の教科書などを鞄にしまっている。
もう帰っちゃうのかな?
そしてゆき君は席を立ち、恵美子さんが会計をしているレジに行き伝票を渡し、お金を払っている。
「ありがとうございましたー」
恵美子さんの声が響くと同時に、ゆき君も喫茶店を出て行く。
ーーー高校2年になり同じクラスになった。
「あ、喫茶店の?」
ゆき君は、私と目が合うと思い出したかの様に聞いてくる。
「は、はい!そうです!喫茶店でバイトしてる冬村実桜です!よろしく!」
私は嬉しくて、顔が熱くなる中おどおどしながら自己紹介。
「ハハ、あんたいっつも挙動不審だよね」
わぁ!笑った!笑ったよ!
笑顔もステキなんですねー!
ん?挙動不審?確かに緊張して挙動不審になってるかも。まぁいいや!笑ってくれたから!
そう言ってゆき君は自分の席に座る。
私の左斜め前だ。神様ありがとう!
あれからゆき君は月に1回か2回私のバイトしている喫茶店に来る。
今日も学校が終わった後はバイトに行かなけばならない。
今日は来てくれるかな?
ゆき君が来た日はバイトが楽しく感じてしまう。
ーーー平日は18時までなのであと1時間で上がる時間。
私はいつもどおりお客さんに注文を聞いて厨房に伝えに行く。
カランカラ~ンと店の扉が開く音がして。
「いらっしゃいませー!」
わっ!!ゆき君きたー!
「どうぞ、こちらの席へ」
窓際の席へ案内するとゆき君は案内された席に座る。
「ゆ、ゆき君、アイスコーヒーでいいですか?」
「うん」
私の顔を見て笑顔で頷くと、鞄から教科書やペンケースを出している。
あー眩しい!笑顔が眩しいよー!
私は厨房にアイスコーヒーを取りに行く。
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