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窓辺の一番後ろの席に座っている、メガネをかけた色白で小柄な少年。
その少年は無表情で無口。
クラスメイトの3名はそんな少年をなんとかしゃべらせようと、ひそひそ話をしている。
そして、男子生徒3名は、その少年の席の前に行く。
窓辺の少年は無表情で3名の男子生徒たちを見上げている。
「おい。 なんかしゃべれよ」
男子生徒の発言に対して、窓辺の少年は、「うん」とも「すー」とも言わない。
ただただ無表情で見上げているだけ。
「まぁいいや。 ならどこに住んでるかくらい言えるよな?」
の問いに、窓辺の少年は一度だけうなづく。
すると、3名の男子生徒は、やったぜと言わんばかりに、嬉しさで満面の笑みを浮かべていた。
そして、ひとりの男子生徒が問う。
「どこに住んでんの」
「M78星雲」
窓辺の少年が無表情でそう返答すると静寂さ室内を包んだ。
そんなしじまに、飛行機が飛ぶ音が聞こえてくる。
夕日が室内を照らす。
室内を照らす夕陽が4人のシルエットを映し出す。
無言で見つめ合う4人。
夕陽が窓辺のアイツをオレンジ色に染めていた。
窓辺のアイツ。
そう、それはオレンジ色の憎いやつだった……。
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