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刹那「そう言う言い方は良くないよ、トキトくん・・・?
アナタとリンネちゃんはとても仲良しだったじゃない・・・?
なのに・・・っ・・・。」
だが、刹那さんの言葉は最後まで紡がれる事なく、その途中で飲み込まれてしまった
他ならぬトキトの険しい眼差しによって・・・
トキト「・・・えぇ、そうですよ・・・?
リンネとは大の仲良しだった・・・!
だからこそツラいんですよ、アイツの変わり果てた姿を見てるのが・・・!
それに・・出ないんですよ、涙が・・・。
アイツの前で涙さえ流せない薄情なヤツなんですよ、俺は・・・?
あの事故の時だってそうだ・・・。
まだ息のあったリンネに何もしてやれずにただ眺めているしか出来なかったんです・・・。
痛みを和らげてやる事も、苦しくて不安な気持ちを代わってやる事さえ出来なかったんです・・・!
そんな俺が今更どのツラ下げてアイツの側に居ればいいって言うんですか・・・!?
ねぇ、教えてくださいよ、刹那さん・・・。
」
トキトの独白に沈痛な面持ちで掛けるべき言葉を探す刹那さんは暫しの間沈黙した
刹那「・・・。」
トキト「・・・。」
2人の間に静寂が流れる・・・
すると、先程のトキトの声で目を覚ましたらしい子猫が『ミャア~』と可愛らしく鳴き声を上げてからトキトの手の甲をペロペロと小さな舌で舐めた
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