序章『始まりの事故』

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刹那「・・・? その子は・・・?」 刹那さんは不思議そうな顔でトキトの懐に踞る子猫を指さしてそう訊ねた トキト「・・・コイツはミィー子・・・。 リンネが拾って来たんだ・・・。 半月程前に、近くの河原から・・・。 俺に残された最後の家族です・・・。」 トキトは寂しげにそう言って子猫の ミィー子の小さな頭を優しく撫でた ミィー子が再び『ミャア~』と可愛らしい声で鳴き声を上げたのを見た刹那さんはもしやと思い口を開いた 刹那「ん?もしかしてその子・・・お腹空いてるんじゃないの・・・?」 刹那さんからそう指摘されたトキトは重い腰を上げると気怠げに答えた トキト「えぇ、そうかも知れませんね、今朝エサをやってからかなり時間が過ぎてるし・・・。」 両手で優しく包むように子猫を抱き上げたトキトは部屋の入り口付近に立っていた刹那さんの脇をすり抜けると一階に繋がる階段をゆっくりと降りて行った
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