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物欲しそうに揺れて誘っている。
そんな刺激的な姿を披露しているなんて、本人は俺の首にしがみ付いて、甘い声をずっと上げているばかりでわかっていない。
蕩けるような声と肌に俺がどれだけ夢中なのかも。
「やぁっ! ン……あ、あの」
「ん? 何?」
充分に愛撫されてうっとりとした目線が懇願するように覗き込んでいる。
俺の肩にしがみ付いて、次に欲しい物を口にするのを躊躇っていた。
「ちゃんと言わないと」
「だって、恥ずかしい……です」
達樹は子どもの時からこっちが驚くくらいに真面目で、誰に対しても誠実で一生懸命だった。
今もまだ執事として俺の指示に一生懸命に従っている。
「じゃあ、こうしよう」
「?」
「自分でしてみて?」
「え?」
驚いて、次の瞬間に頬を真っ赤にして困っている。
「専属の執事……でしょ?」
「は、い」
欲しそうにしている達樹を煽るように、キスで唇を啄ばみながら、シャツの下の肌を指でなぞって刺激していると、電気でも走っているように腰がピクンと反応している。
「ゆっくりでいいから、自分でしてごらん」
懇願するような視線を無視して腰を支えて、しばらくこっちの様子を伺って、それでも動かない俺の肩に掴まった。
耳元で囁きながら、達樹が自分の体重を使って、ゆっくりと。
「……ンっ」
達樹のぬくもりにいつも心臓が止まりそうに幸せだと感じる。
温かくて柔らかくて甘くて、自分が堪らなく幸せだと思う。
「……達樹」
「んっ!! や、あ、あ……ア、ん! 照義、そこはっ」
揺さぶられて、声はもっと甘えるように俺の耳元に注ぎ込まれた。
「あぁぁ……ン、ぁ……」
もう執事ごっこどころではなくなった達樹の感触を、壊してしまいそうなくらいに味わっていた。
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