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洋品店で働く私を
不憫に思ったらしく、
帰りにしゃぶしゃぶとかを、
食べに連れて行ってくれた。
帰りは一緒に、
タクシーで送ってくれた。
その二日後、
一人で個展を見に行った。
ジイサン、すごく喜んでくれて、
売店においてある色紙を
私にくれた。
色紙には、淡い色彩の桃が
描かれていた。
それに一句、
「桃二つ 淡きうぶげの 愛らしさ」
縦書きにやさしい文字が並ぶ。
可憐。
こんな優しい世界を描く
ジイサンなんだ。
キモイって気持ちが少し薄れた。
でも母親より3歳年上と聞いて、
やっぱキモ!
3度目に
しゃぶしゃぶを食べながら、
ジイサンは私に言ったよ。
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